こんにちは、元ナンパ師のKYです。
今日は、ナンパ師や会話が上手い人が自然にやっている
「面白い会話、トーク、ギャグの作り方」
というテーマでお話をしたいと思います。
笑いは「フリ」と「オチ」の高低差で生まれる。
結論から言うと、「面白い・面白くない」を分ける基準とは、”意外性があるか・どうか”なんです。
人の話には、構造上“フリ”と“オチ”があります。
これは聞いたことくらいはあると思うのですが、例えば
👱♂️「この前、上司のことを“お母さん”って呼んじゃったんだよね、、、」という自虐ネタの場合。
これも、
「この前、仕事で上司のこと…」までがフリで、
「“お母さん”って呼んじゃった」がオチになります。
つまり、
「この前、上司のことを」(フリ)
⬇︎
“お母さん”って呼んじゃったんだよね、、、」(オチ)
という高低差を効かせた発言で、相手の予想を裏切る(意外性を持たせる)から、面白い発言として成立するのです。
お笑いでもナンパ師のトークでも、このフリとオチは基本中の基本です。
“フリ”で
👩「こういう話なんだろうな」
👨「上司のこと、なんて言ったんだろ?」
っていう予想をつけさせておいて、
「“お母さん”って呼んじゃった」
という意外性のあるオチで、期待を裏切る。
その期待を裏切ることが、相手にとって「思いつかなかったこと」だったら、「面白い」と思われるんですよ。
👩「え、上司のことお母さん呼んじゃったの?w」っていう塩梅で。
例えば、僕がよくやる自虐ネタで
👨「この前、マッチングアプリでマッチングした女性が、写真はすごい美人だったんだけど、会ってみたら実はゲイだった。」
という十八番(おはこ)ネタがあります。
これは鉄板の自虐ネタなんですけど、これも
「この前、マッチングアプリで会った女の人が…」っていうフリに対して、
↓
「実はゲイだった」という
相手にとっては意外で、相手が思いもよらなかったフリを入れて、オチを効かせるんです。
相手からすれば
「この前、マッチングアプリで会った人が…」という時点で
👩「不細工だったのかな?」
👱♀️「タイプじゃなかったのかな?」
みたいに予想されるのですが、そこで
👨「実はゲイだった」
という発言を入れることで、
👩👱♀️「え、ゲイだったの!?」という自分が予想してたものよりも、ギャップができるんですよね。
このギャップ(意外性の意識)というのが、面白い発言かどうかを左右します。
お笑い芸人の人がなぜ、あれだけ面白いトークをできるのかと言えば、この「フリ・オチ」の意識が強いからです。
漫才でも普通のトークでも、話の流れで「こうだろうな」と予想させておいて、「実はそうじゃなくて、もっと意外性のあるオチ」で落とす。
相手からすれば「意外だな。そんなオチじゃないと思ってた。」というオチを効かせるのです。
これが面白い発言のロジックです。
意外性は“予想のちょっと外側”を狙え
たとえば「髪が長い」ことをイジる場合。
そのことを「FF7のセフィロスみたいだね」と言うと、通じる人からは笑いが取れると思います。
でも、相手がセフィロスというキャラクターを知らない人だと
👱♀️「え、セフィロスって誰?」
という反応をされます。
だからこそ相手が予想できる、予想の範囲で……でもそれをちょっと上回る発言を意識すると、ウケます。
逆に予想を裏切りすぎる、あるいは知らないなど、予想の上を行きすぎてしまうと、スベっちゃうんですよね。
たとえば、メイプル超合金の漫才。
カズレーザーさんが序盤、手で虫を払う仕草をして、
「ここWi-Fi飛んでんな」
というボケをするシーンがあります。
これも、手をブンブンと振る仕草を見せて、多くの人に「虫がいるのかな」と思わせてから、「Wi-Fi飛んでんな」というオチで落とす。
そのフリオチが効いているからこそ、ウケるのです。
でもこれ、「Wi-Fi」を知らないおじいちゃん•おばあちゃんだと「何それ?」という反応になり、笑いが起きませんよね。
だからこそ
「相手が知っていそうか」
「相手の教養レベル」
「相手の趣味、属性」
というものを観察・分析して話さないと、相手からすれば意外性があり過ぎてスベっちゃうんですね。
だから、
👨「相手の知ってる範囲はどこまでか?このネタは通じるだろうか?」
ということを予想して、その斜め上をいく意外性のある発言をすると、ウケるんですよ。
面白さが成立するのは“アドリブが効く音程”の範囲内
以前ですが、『BLUE GIANT』というアニメ映画を見ました。
この映画はジャズが題材のアニメなのですが、登場人物の一人であるピアニストの沢辺 雪祈(さわべ ゆきのり)君が放ったセリフで、印象に残ったものがあります。
そのセリフは、サックス奏者を目指す主人公・宮本 大(みやもと だい)とジャズバンドを組んだ際、
宮本君がソロパートの演奏で、アドリブを効かせすぎた際に、沢辺君が宮本君をなだめる場面で言ったセリフなのですが、
「いいか、これが俺等の枠組み(演奏の音程)だとして」
「この枠内(音程、旋律の中)なら…どんなに暴れても雑音じゃねえから」
というもの。
これは、
「ソロパートだとしても、あまりにも主旋律から外れすぎていると、シラけるぞ」
という意味なのですが、これは今回のテーマにも通じます。
音楽におけるソロパートとは、演奏の主旋律から少し外れるアドリブが面白いのですが、ソロパートとして面白さが成立するのは、演奏のある一定の音程・旋律の中で行なった場合のみなんです。
その音程・旋律から外れちゃうと、ただの不協和音になってしまい
「やりすぎ」
になってしまうんです。
でも、“主旋律の中”あるいは少し”外側”までだったら、かなり攻めた演奏でも
「お、面白いな」
と捉えられるのです。
これ、今回のテーマである”面白い発言(意外性のある発言)”にも通じますよね。
要は、面白い発言をしようとする時も「相手が予想してる範囲内で、意外性のある発言」を意識すると、面白さが成立しやすい。
それは、相手が予想もしていなかったことだから。
先ほどの僕の自虐ネタで言うならば、
👱♂️「実はマッチングアプリで会った人が…」
と言うフリで相手は
👱♀️「ブサイクだったのかな?」
👩「タイプじゃなかったのかな?」
と、予想し、僕がその予想の少し斜め上をいく「実はゲイだった」という発言をすると
👩👱♀️「えっ!ウケるwwww」
という”意外さ”が効いた発言になる。
でもこれが
👱♂️「セフィロスみたいに髪が長い人でさ」
と言うと、予想の斜め上を行き過ぎてしまい、フリという主旋律から外れてしまいますので
👩👱♀️「え?あぁ、そうなんだ・・・」
と、無惨にスベります。笑
このように、自虐ネタやちょっとしたギャグ、相槌などのトークは
相手の予想のちょっと上をいく意識
が大事です。
ちょっとだけ“予想だにしなかったこと”を意識して言うと、面白い発言になるんですよ。
ちなみにですが、この記事で皆さんも、
👱♂️「え、ここで『BLUE GIANT』の話?何の関係があるの?」
というフリから
👱♂️「なるほど。ジャズのソロ演奏も、今回の話も、『主旋律から外れない=予想から外れ過ぎない』ことが大事なんだな・・・」
というオチで、納得しませんでしたか?
これも、フリオチです。
面白い発言力は”他者のモデリング”で磨ける
芸人さん、ラジオパーソナリティ、YouTuberの方々を観察してほしいんですけど、面白い発言は意外なオチが効いています。
だから僕は、よく
「面白い会話のボキャブラリー」
「ツッコミのボキャブラリー」
は、
・他人と会話して、面白かった返し・トーク
・ラジオ、テレビで芸能人が言っていたこと
・YouTuberの面白かった発言
これらをモデリングしなさいと、しょっちゅう言っているんですよ。
それは、いろんな人のレパートリーを取り込んで、引き出しを増やして、いざという時に自分が使えるようにするためなんですよね。
たくさんの面白い発言のデータを蓄積していく中で、自分の中で
「これは意外性があって、面白い返しだな」
みたいな発言を思いついたりするんです。
あるいは、場面・話の流れに合わせて、とっさにアドリブを入れられたりするようになります。
地道なインプットを繰り返していくうちに、会話が面白い人ってのは、ますます面白くなっていくんですよね。
会話が面白い人というのは、誰かの面白い発言をパクって、モデリングして、それを自分で分解して、自分なりに面白い発言に変換していくんです。
そう、みんなパクってるんですよ。
だから、面白い人っていうのはどんどん面白くなっていく。
でも、彼らの話を紐解いていくと、「面白い発言」っていうのは、やっぱり意外性なんです。
思いもよらなかった意外な発言。
ベタなフリからの意外なオチを用意する。
これが成立するから、「面白くてウケる」。
もし
「マッチングアプリで会った人が、すごい不細工だったんだよね」
とか、
「タイプじゃなかったんだよね」
という発言で終わっていたら、予想がつきすぎて面白くないんですよ。
ここで、
「実はゲイだったんだよね」
と言うからこそ、面白いんです。
でも、意外性を狙いすぎるとダメです。
例えば、「実はマッチングアプリで会った人が、セフィロスみたいに髪が長くてさ」と言っちゃうと、相手が知らなかったら、伝わらないですよね。
たぶん、知っていてもスベると思います。
だから、
「どこが相手にとってヒットするか」
「相手の期待を、いい具合に裏切れるか」
みたいなオチを意識すると、自然と面白い発言ってできていくんですよ。
その面白い発言のレパートリーを増やすには、
日頃から面白い人の話
お笑い芸人のネタ・漫才
YouTuberの発言
それらを見た時に「これ面白いな」と思った人の言葉を真似る・メモる。
そして、それを自分の中に蓄積していく。
これがすごく大事です。
ちなみにですが、もしスベっても大丈夫。
👱♂️「あ、ごめんスベったわw」
とか
👱♂️「いやいや、なんか黙られると俺がスベったみたいになるから、なんか反応して?w」
とフォローを入れれば、シラけても大体フォローできます。
ですから、モデリングしたギャグや発言は、恐れずに試してください。
ウケれば持ちネタにすればいいし、ウケなければ次回からやらなければ良いだけの話です。
ということで、今日は
「面白い発言・トークの作り方」
というテーマでした。
ではまた。